fuku

焙煎記録:ブレンド「蛍」

カテゴリー: 浮空のブレンド, 焙煎記録 — fuku @ 2016 年 6 月 13 日6:39 PM

定期便ブレンド「蛍」です。

蛍と言いますと、室町時代の小唄集「閑吟集」の

我が恋は 水に燃え立つ蛍々(ほたるほたる)物言はで笑止の蛍

江戸中期の民謡集「山家鳥虫歌」の

恋にこがれて鳴く蝉よりも 鳴かぬ蛍が身を焦がす

が思い浮かびます。

文学少女だった中学生時分に出会った歌でいまでもこの季節になるとふと思い出します。

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メキシコ クルス グランデ。欠点豆少なく、青みの強い中サイズの生豆。

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タイ チェンライ オリエンタルファズ

だいぶ乾いています。注文してもパストクロップしか入らないので、早くニュークロップにお目にかかりたいところ。

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2種類をプリミックス。タイの甘い香りとメキシコのキレのある酸味がマッチしています。

イチハゼまで火力強め、そのあと火力を落として約2分。

タイは、ガスが多い豆です。焙煎したてはやや尖りが出ますが、

抽出時の膨らみは素晴らしく、エクレアのような甘い香りがクセになるおいしい豆です。

味は際立った個性はないため、ブレンドの中和要素としても活躍します。


焙煎記録:ブレンド「風炉」

カテゴリー: 浮空のブレンド, 焙煎記録 — fuku @ 2016 年 5 月 15 日10:47 AM

5月の定期便ブレンド「風炉(ふうろ)」です。

(4月の定期便ブレンド「春灯」はエチオピア グジ クオリティ1とペルーマチュピチュ、バリ インテンデワタでした。記事のアップが間に合わず割愛します)

5月は、バリ インテンデワタ ワイニ―ナチュラルと、マンデリン プロアドミールのインドネシアコンビをメインに、タイチェンライをつなぎにして、エチオピア グジで華やかな香りをアクセントに。

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バリ。強烈なワイニ―の香り。生豆は例えて言うなら自家製の梅酒の梅の実の部分のような甘酸っぱい香り。

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マンデリンは豆の状態がとても良く、きれいなウォッシュド。

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4種のプリミックスで、イチハゼで煎り止めし、苦みを抑えました。甘めの香りとすっきり感のあるブレンドです。


コロンビア ピコクリストバルSP

カテゴリー: 豆情報 — fuku @ 2016 年 3 月 28 日8:11 PM

ピコクリストバルは、コロンビア最北部のカリブ海に面した

クリストバル・コロン山という山の山麓にある農園で生産されています。
コロン山の南西側の斜面の標高1600~1850mあたりがピコが収穫できるところです。
グーグルマップなどで見てみるとわかるのですが、このあたりは湖がたくさんあって
豊富な山水で精製されているので、とてもきれいな豆です。
やや虫食いが多いのが難点ですが、薄皮が少ないのでハンドピックはしやすいです。
コロンビアはどっしりしたコクと酸味がある豆が多いのですが、
ここの豆はカリブ海気候の豆に近い味わいで(キューバやジャマイカに近い感じ)
甘みがあってマイルドです。
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火力弱めで、時間をかけて焙煎します。焦がさず芯まで熱を通しふっくら仕上げます。
スプレモらしい、大粒の、豆面の良い煎りあがりになります。

焙煎記録:ブレンド「紅気」

カテゴリー: 浮空のブレンド — fuku @ 2016 年 3 月 10 日10:06 PM

3月の定期便ブレンド「紅気(こうき)」です。

山口誓子の俳句

桜咲く前より紅気立ちこめて

より名前を拝借。

タイチェンライとペルーをベースに、7種類の豆をプリミックス。焙煎度は中深煎り。

タイが甘みを、エチオピアとバリが香りを膨らませ、ペルーが落ち着いた苦みで味わいをまとめている感じです。

シングルオリジンは、豆の個性や特徴を引き出すことを重視しますが、ブレンドは狙った味に着地させることを重視しますので、同じ焙煎でもそれぞれ違ってどちらも楽しい。

ブレンドが狙い通りに着地した時は、よしっ、とガッツポーズします。

※以下生豆の写真はハンドピック前のものです。記録のために、写真はたいていハンドピックする前に撮ります。

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タイチェンライ オリエンタルファズ。

そろそろニュークロップが来る頃ですので、だいぶ乾燥してきています。今期は粒が小さめで不良豆も多かったですが、甘みは相変わらず安定しています。ひとつ前のロットははシングルで出す事が多かったですが、今期はブレンドのベースと味の中和に大活躍でした。

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バリ インテン デワタ ワイニ―

濃厚な香りがたまらない豆です。甘く、重みのある味わいがアクセントになります。

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メキシコ クステペックSHG

ちょっとだけ使用したので、特徴はあまり味わいには影響していません。

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コロンビア メサ デ  サントス

有機JASのカトゥーラ種。こちらもちょっとだけなので、味わいにはあまり影響なし。乾いてしまっているので今回のような複合的な味わいのブレンドにそっと加えた感じ。

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東ティモール

オーガニックだけど大粒できれいな豆です。こちらも少量。

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エチオピア グジ クオリティ1

豆もきれいだし、華やかで抜けるような香りが特徴。最近の浮空のブレンドには欠かせなくなってきました。シングルだと強すぎる酸味も、カップリングによって驚くほどのまろやかさに変わります。

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ペルーマチュピチュ。

深煎りで真価を発揮しますが、今回はプリなので1段階軽めに。

をまとめる要の役目。

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プリミックス、4kg。今回は10バッチ焼きました。

焙煎前後のハンドピックで4%ほど弾きました。多い時は10%くらいははじくのでまあまあかな。

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完成。

甘みがあってバランスの良い仕上がりになりました。

焙煎記録:ブレンド「寒明」

カテゴリー: 浮空のブレンド, 焙煎記録, 過去記事倉庫(カフェ時代の記事など) — fuku @ 2016 年 2 月 14 日2:15 PM

2月の定期便ブレンド「寒明(かんあけ)」

二十四節気の、立春から雨水まで頃をこう呼ぶそうです。

今回は、ペルーマチュピチュ、東ティモールの2種のブレンド。

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オーガニックの東ティモール。粒は大きく、欠点豆も少ない。

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弱火で時間をかけて中煎りに。控えめのイチハゼから1~2分。表面にうっすら照りがでたところで煎り止め。

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ペルー マチュピチュ

こちらもオーガニック。普段は深煎りにすることが多い豆ですが、今回は中煎り。

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焙煎度をほぼ同じにしたアフターミックス。

オーガニック特有の草のような香りを活かして、春の木の芽のような若い苦みを出したブレンドです。

焙煎記録:ブレンド「笹鳴」

カテゴリー: 浮空のブレンド, 豆情報 — fuku @ 2016 年 1 月 14 日1:37 PM

1月の定期便ブレンド「笹鳴(ささなき)」

秋冬は山から里へ下りてきて笹薮の中で越冬するウグイスの地鳴きのこと。チッチッと鳴くそう。聞いてみたい。

豆は5種。プリミックス、中深煎り。

・ブラジルサントスno.2

・エルサルバドル マハワル モンターニャ

・グァテマラ アンティグア ラ アゾテア

・タイチェンライ オリエンタルファズ

・エチオピア グジ クオリティ1

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ベースのブラジルサントスno.2 ビターな感じを出したかったので、普段ほとんど使わないブラジルをメインに。今回はプリミックスで。サントス港に集荷された豆のミックス。産地もおそらくばらばら。

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ブラジル、想像以上に状態は悪い。12.5%減。状態が悪いというよりは欠点豆が多い。特に虫食いと発酵。最近はシングルオリジンばかり使っているので、スタンダードはこんなものだっただろうか、と思う。焼き上がりは殻豆が多く、スカスカ感がある。

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エチオピアグジ クオリティ1。相変わらずのきれいさ。ブレンドには欠かせなくなったグジ。イルガチェフェ、マタリ、ハラ―、などに比べてフルーティ感は弱めだけれど、苦みの強い豆との相性が抜群。

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グァテマラ アンティグア。半端に残っていた豆を少々投入した感じで、あまりブレンドに影響はない。バランスの良い豆なので少々使うくらいだと前には出てこない。

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エルサルバドル。豆の状態はとても良い。これもつなぎ用に使う感じ。あまり前面には出てこないように。

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タイチェンライオリエンタルファズ。

昨年のロットはあまり良くなかったので、もっぱらブレンドに。ニュートラルでほわっとしていて甘みもあるのでハンバーグでいうところの、パン粉的なつなぎ。

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3kg2時間のハンドピックを先に済ませてからミックス。焼き上がりは、ビターな感じは良く出ているもののグジの抑えが効きすぎた感じも。もう少しブラジルらしさを推しても良かっただろうか。

焙煎記録:ブレンド「霜葉」

カテゴリー: 浮空のブレンド, 焙煎記録 — fuku @ 2015 年 11 月 13 日1:08 PM

唐の詩人、杜牧(とぼく)の七言絶句「山行」から名前を頂きました。

遠上寒山石径斜  
白雲生処有人家  
停車坐愛楓林晩  
霜葉紅於二月花

遠く晩秋の山に登ると、石混じりの小道が斜めに続いている
下界から離れたこんな高い場所にも民家がある
(手押し)車を止めて、何とはなしに楓の林の夕暮れを眺めている
霜がかかって赤くなった紅葉は、二月に咲く桃の花よりもずっと赤い

4種の豆のブレンドです。

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メキシコ  クステペック。粒は大きめ。

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火力弱めで、長めに焼き、ハゼがきつくならないよう、じわじわと甘味を引き出す感じで。

落ち着いた香ばしさになります。

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上記のメキシコと、ペルー マチュピチュをプリミックス(焼く前に混ぜる)。

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メキシコ単体だと個性が出にくいので、ペルーとプリミックスしたものを、やや深めに焙煎。二ハゼぎりぎりのところまで。

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イエメン モカマタリ。毎度ハンドピックに時間のかかる豆。ここを丁寧にやることで、仕上がりが大きく変わります。

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粒が小さいので、火力強めで、さっと煎りあげる感じ。焼きあがってから再度しっかりハンドピック。

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グァテマラ アンティグア ラアゾテア。半分を中煎り、半分を中深煎りに。

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メキシコと、モカのつなぎ役の豆。酸味も苦みもあるバランスのよい味わいで、全体を安定させます。

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メキシコをメインに、ペルー、とグァテマラを配し、アクセントにモカ。

落ち着いた香ばしさの奥に、鼻に抜けるモカの香りが楽しめます。

焙煎記録:ブレンド「猿酒(さるざけ)」

カテゴリー: 浮空のブレンド — fuku @ 2015 年 10 月 14 日11:46 AM

10月の定期便ブレンド。

猿酒とは、猿が木のうろや岩石のくぼみに蓄えた木の実や果実が自然発酵して出来たお酒のことを言うそうです。

ただ、野生の猿は食料を貯蔵する習慣がないため、実際は伝説上のお酒ということになりそうです。

秋の味覚が美味しい季節、芋栗南瓜、胡桃などを使った甘いものと相性が良いブレンドに仕上げました。

洋菓子なら、キャラメルを絡めた胡桃、スイートポテト、パンプキンパイなど。

和菓子なら、芋羊羹や栗あんの最中など。

濃い目に抽出して、ウイスキーをひと垂らしすれば、猿酒とは行かないまでも、ほんのり秋の良い心地を感じて頂けると思います。

使った豆は5種。

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①タイチェンライ オリエンタルファズ。乾燥が進んできているので、ニュークロップが入るまではシングルを休止して、在庫はブレンドに投入。

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もともとマイルドな味わいの豆なので、今回のブレンドではベースに。二ハゼを聞いてから冷却。中深煎りで。

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②エチオピアグジクオリティ1

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今回は中煎りで、澄んだ酸味を少々アクセントに入れます。

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➂グァテマラ アンティグア ラ・アゾテア。見た目で乾燥しているかな、と思ったけれど、焙煎してみるとそうでもない。

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焦がさないよう、弱火で長めに焙煎。水分が意外と多かったため思ったより長い焙煎になった。

酸味を残しつつ、バランスよく。

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④ペルーマチュピチュ。エチオピアグジととても相性が良いので、苦みの要に。

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深煎りで苦みを前に持ってくる。タイチェンライと並んでベースに。

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⑤マンデリン ブルーリントン 今期で一番きれいなマンデリン。

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二ハゼまで焼き切って、甘みとコク、ややスモ―キーな香りをアクセントに使います。

ネルドリップが最適だと思いますが、ペーパーなら、豆を多めに使い、ペーパー2枚重ねでじっくり蒸らして抽出すると良いと思います。

エチオピア モカ イルガチェフェG1 ゲディオ ナチュラル

カテゴリー: 焙煎記録, 豆情報 — fuku @ 2015 年 9 月 26 日8:42 PM

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エチオピア シダモ州イルガチェフェ地区の小規模農家の集買したものです。

ゲディオというのははっきりとはわかりませんが、精製する場所の名前、もしくは商品名です。イルガチェフェのモカは農園指定で買い付けが出来ないシステムになっているそうなので、シングルオリジンではありません。

標高1800~2200mとかなりの高地で水が潤沢ではないため、果肉がついたまま天日干しして脱穀するナチュラル製法で精製されています。このため、脱穀した後も果肉の甘酸っぱい香りがほのかに残っていて、(発酵臭とも言えるので好みは分かれるかもしれません))フルーティな酸味と華やかな香りが特徴となって出てきます。

欠点豆少なく、状態は良好な生豆でした。

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イチハゼ直前から柑橘系の香りが強くたちのぼります。ナチュラルらしい大量のチャフが舞います。

イチハゼが終わった時点で火を止め、余熱でゆっくり転がしてから冷却。膨らみは上々。味わいはかなり濃厚。あとに苦みが残らず余韻はわりとすっきり。

9月も終わりに近づき、焙煎工房もだいぶ涼しくなって、室内の温度が30度前後までしか上がらなくなったので、石焼き効果のための鉱石の量を調整しました。

これから、本格的に寒くなるまでの間は、焦げが出ないようフードの開け閉めと、火力の微調整がデリケートな時期です。

焙煎記録:ブレンド「風日待」

カテゴリー: 浮空のブレンド, 焙煎記録 — fuku @ 2015 年 9 月 11 日9:25 PM

9月の定期便ブレンド「風日待(かざひまち)」

風日待とは、二百十日の頃、風を鎮めるために村人たちが仕事を休んで神社に籠る行事のことです。

いまは形骸化していますが、私の地元でも明日は「お籠り」の日です。

収穫を前に風の神様を鎮める祭り、日々の生活からは遠ざかっている神事ですが、自然を畏れ敬う心もちを忘れずにいたいと思います。

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プリミックスのグァテマラ ブルーレイクSHBとホンジュラスHG。生豆の画像撮り忘れました。

イチハゼから火力を落として、二ハゼ直前で冷却。

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タイチェンライ オリエンタルファズ。パストクロップ(前年の豆)なので、やや乾燥が進んでいます。丁寧なハンドピックが必要。

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焦がさないことを一番注意しつつ、二ハゼ始まるまでじっくりと。イチハゼが弱く、火力に気を使いました。

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メインのメキシコ  クステペックSHB。 豆が大きく、センターラインのはっきりした豆。

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酸味を抑えるため、二ハゼのピークまでしっかり焼きます。

力強い風をイメージして作りましたが、仕上がりはなぜかまろやかで柔らかい口当たり。グァテマラの香りが効いていて複雑な風味になりました。